トラックのオイルランプとは?点灯する原因や対処法を解説!
トラックを運転していてオイルランプ(油圧警告灯)が点灯したことはありませんか?
このオイルの形をした警告灯が点灯したということはエンジンオイルが規定値より減少しているサインで、そのまま放置しているとエンジンが故障したり、最悪はエンジンを乗せ換えることになってしまいます。
今回はオイルランプが点灯する原因や万が一点灯した時の対処法などを解説します。
トラックのオイルランプとは
オイルランプとは、エンジンオイルが何らかの原因で減少し油圧が低下した時に点灯する警告灯で、トラックだけでなく、全ての車に設置されています。
オイルランプはその危険度によって警告灯の色が変わり、エンジンをかけた直後に緑色に点灯しその後消えれば正常、エンジンをかけた後も点灯したままだと異常です。
ランプの色は黄色の点灯が「要注意」、赤色が「危険」で、赤色に点灯したらすみやかに安全な場所へ停めましょう。
ちなみに、オイルランプの色は国際標準規格で統一されており、世界共通です。
オイルランプが点灯する原因
オイルランプの点灯は主に下記の3つの原因が考えられます。
- エンジンオイルの量が不足している
- エンジンオイルが漏れている
- ポンプが故障している
エンジンオイルの量が不足している
オイルランプの点灯原因で1番多いのがエンジンオイル量の不足です。エンジンオイルは人間にたとえれば血液のようなもの。
エンジンオイルが不足するとエンジンが焼き付きを起こし、最悪な状態によってはエンジンを乗せ換えることになります。
エンジンオイルが漏れている
エンジンオイルが入っているオイルパンからエンジンオイルが漏れていることでも点灯します。オイルパンはエンジンの下部に設置されているので、走行中に飛び石などで穴が開いたりすることがあります。
オイルパンからのオイル漏れは非常事態といえます。すみやかに安全な場所へトラックを停めて、整備工場へ連絡して処置をしてもらいましょう。
ポンプが故障している
エンジンオイルを循環させているポンプが何らかの原因で故障したり劣化していることでも点灯します。
エンジンオイルが正常に循環しないとエンジンにオイルが行き届かず、焼き付けを起こし故障することがあるので注意が必要です。
オイルランプが点灯した際の対処法
走行中にオイルランプ(油圧警告灯)が点灯したら、慌わてずに次の3つの手順で対処しましょう。
- 安全な場所に駐車
- オイルの残量を確認
- ロードサービスを呼ぶ
安全な場所に駐車
走行中にオイルランプが点灯すると焦ってしまうと思いますが、点灯したからといって、いきなりトラックが停まることはほどんどありません。
まずは落ち着いて、安全な場所にトラックを停止させます。一般道なら車線が広い道路わきや通行量の少ない道路などに、高速道路なら非常駐車帯やPA(パーキングエリア)やSA(サービスエリア)などに停めましょう。
油圧警告灯が点灯したままで走行しつづけると、エンジンが故障し、状態によってはレッカー移動になる恐れもあります。
オイルの残量を確認
トラックを停めたらキャビンを倒しエンジンオイルの量を確認してみましょう。オイル量はオイルのレベルゲージで確認出来ます。
レベルゲージを抜いてみてゲージ先端に記してある「H」と「L」の間にオイルがあれば問題ありませんが、オイルランプが点灯している時は「L」より下側になっていることが多いです。
この時、下側のオイルパンをのぞいてみて、オイルの漏れがないならエンジンオイルを規定値まで補充しましょう。
エンジンオイルはガソリンスタンドやホームセンターで手に入りますが、出来れば万が一のためにストックしておくことをオススメします。
但し、これは一時的な対処法です。オイルランプが点灯することは何らかの異常が考えられるため、なるべく早く整備工場やディーラーで処置してもらいましょう。
ロードサービスを呼ぶ
エンジンオイルを補充したにもかかわらずオイルランプが点灯する場合は、循環ポンプやその他のエンジン付近の異常が考えられます。
こんな時は迷わずロードサービスに連絡します。その場で作業員にトラックの状況を見てもらい、必要であれば近くの整備工場やディーラーまでレッカー移動してもらいましょう。
オイルランプの点灯を防ぐ方法
オイルランプの点灯はエンジンをかけた直後に消えるのが正常です。したがって点灯したままだとエンジンオイルのトラブルが発生している可能性があります。
このようなトラブルを防ぐために定期的に次の2つのことを実行しましょう。
- 定期的なメンテナンス
- エンジンオイル自体の交換
定期的なメンテナンス
トラックは基本的に毎日走行することが多いので、エンジン周辺の部品類の劣化も早いといえます。そのため定期的な点検が必要です。自分自身でオイル量を目視点検するほか、ディーラーや整備工場で細かく点検してもらいましょう。
トラックの燃料である軽油には硫黄が含まれていますが、この硫黄がエンジンオイルの劣化を早めます。ディーゼルエンジンのオイル交換は走行が10,000kmもしくは前回交換から1年が目安となっているため、このタイミングで点検してもらうといいでしょう。
ちなみにガソリン車は走行が15,000kmもしくは前回交換から1年になっています。
但し、貨物用トラックの場合、1日の走行距離が200~300kmになったり長距離を走るトラックはさらにエンジンオイルの劣化が早くなるため、点検や交換頻度は変わります。
ドライバーが自分で出来ることはエンジンオイルの交換やオイル量の目視点検、補充ぐらいです。著しくオイルが減ったりオイルパンから漏れていたりする時は必ず整備工場かディーラーで対応してもらいましょう。
トラックリース&ローン.comでは、3ヶ月ごとの定期点検と車検点検をリースに組み込んだメンテナンスリース契約も承っております。
エンジンオイル自体の交換
人間の体中を血液が巡っているように、車のエンジンのなかもエンジンオイルが循環しています。
エンジンオイルはエンジン内部のシリンダーやピストンの動きを滑らかにしたり、エンジン自体の冷却をする役割があり、なくてはならない潤滑油です。
トラックのエンジンオイルはドライバー自身で交換することも可能です。普通車と違いトラックのオイル注入口は比較的入れやすい位置にあり、またオイルパンからオイルを抜くのも、車種によってはジャッキアップなしでおこなうことが出来ます。
ドライバー自身でオイル交換をおこなうことでコスト削減も期待出来ます。また、オイルに付着したゴミや不純物を受け止めているオイルフィルターも一緒に交換するようにしましょう。
トラックのオイルフィルター交換は走行距離にもよりますが、オイル交換2回に1回の割合でおこなうのが理想です。
オイルランプが点灯したままの走行に注意
オイルランプ(油圧警告灯)が点灯しても実際は走行出来ることがあります。しかし、そのまま走行していると、エンジン内部の破損につながる恐れがあります。
オイルランプが点灯したまま走行すると下記のようなトラブルが発生します。
- ノッキングの発生
- エンジンが焼き付く
- マフラーからの白煙が発生
ノッキングの発生
ノッキングとは、エンジン内部のシリンダーやピストン、プラグなどが何らかの原因で破損し、そのため走行中にエンジン内部から「キンキン」「カンカン」という金属音がする現象のことです。
ノッキングは必ずしも故障の原因ではありませんが、エンジンから異音が聞こえたらほとんどは何かしらの異常が起こっているサインです。
オイルランプが点灯し、エンジンからあきらかに聞いたことのない異音が聞こえたらそのまま走行するのは危険です。すみやかに整備工場かディーラーで修理してもらいましょう。
エンジンが焼き付く
オイルランプが点灯するということは、エンジンオイルが規定値より少ないことが考えられます。エンジンオイルが少ないとエンジン内部を充分に冷やすことが出来ずにエンジンが焼き付いてしまいます。
エンジンが焼き付いてしまうとエンジン自体を乗せ換えることになるので、そうならないためにも早めにエンジンオイルを補充するか、オイル漏れがあればすみやかに整備工場かディーラーで修理してもらいましょう。
マフラーからの白煙が発生
マフラーから白煙が出る原因はいろいろありますが、白煙からオイルの臭いがする場合、エンジン内部のバルブやシリンダー、ピストンに何らかの異常が出ている可能性があります。
水蒸気が原因の場合もありますが、いつまでも白煙が消えないようならば、すみやかに整備工場やディーラーで見てもらいましょう。
まとめ
走行中にオイルランプが点灯すると、そのあとは走行することが出来なくなり仕事にも影響が出てしまいます。
オイルランプの点灯はエンジンに何かしらの異常をあらわすサインでもあるので、そのまま放置せずに早めに対処するようにしましょう。
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