トラックの耐用年数は何年?年数を延ばせる?減価償却や算出方法を解説!
事業で備品や機材を使用するにあたっては「耐用年数」に注意する必要があります。
耐用年数は減価償却にも関わってきますし、トラックの運用であれば新車と中古での違いについても把握しておく必要もあるでしょう。
そこで今回は、トラックの耐用年数について解説します。
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トラックの耐用年数とは
トラックの「耐用年数」とは、そのトラックを何年であれば安全に使用できるかという、目安であると勘違いされている方も少なくありませんが、実務上で重要なのは「減価償却できる年数」という意味です。
インクと印刷紙を消費してプリンターを使用する場合、インクと印刷紙はすぐに消耗してしまいますが、プリンターは(故障などのトラブルがなければ)数年にわたって稼働し続けることができます。
このような機材などのことを「耐久消費財」というのですが、耐久消費財の多くは何十万円~それ以上の高額な金額で購入することになるでしょう。
これを「購入時」や「廃棄時」に一度に費用として計上することは、耐久消費財の特性から考えると正しくありません。
しかし、具体的に購入から何年で使えなくなるかはケースバイケースなので、その目安として国税庁が品目ごとに定めているのが「法定耐用年数」と呼ばれる数値です。
例えば、法定耐用年数が10年であれば、10年間で耐久消費財を定額法または定率法により計算した減価償却費を毎年計上し、最終的にわずかな資産価値だけが残るので廃棄時に多額の費用を計上せずに済みます。
トラックにも耐用年数が定められていますので、ルールに則って減価償却を行い、適切に費用として計上する必要があるのです。
新車と中古トラックの耐用年数の違い
トラックの耐用年数は「新車トラック」と「中古トラック」で扱いが異なります。
新車の場合
新車トラックを購入した場合の耐用年数は、各区分ごとに以下の扱いになります。
・自家用登録のダンプ式トラック:4年
・自家用登録のダンプ以外のトラック:5年
・業務用登録の最大積載量2トン未満の小型トラック:3年
・業務用登録の排気量3,000cc以上の大型トラック:5年
・業務用登録のその他トラック:4年
どのケースにおいても、あまり長く減価償却できないことがわかります。
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中古の場合
上記の耐用年数は「新車のトラックを購入した場合」の法定耐用年数であり、トラックを中古車として購入した場合には計算方法が異なります。
具体的には「耐用年数が残っている場合」と「耐用年数がすべて経過して減価償却が完了している場合」の2つのパターンに分かれるのです。
耐用年数が一部過ぎている中古トラックでは「簡便法」という計算方法を利用し、「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%」という計算式で耐用年数を算出して、小数点以下は切り捨てて残りの耐用年数を算出します。
耐用年数がすでに経過しきっている場合も簡便法を採用し、新車の耐用年数の20%を中古トラックの耐用年数としていますが、計算結果が2年以上の場合は小数点以下を切り捨てて算出し、2年未満の場合は一律2年となります。
つまり、耐用年数が経過している中古トラックの場合は、最短でも2年間の耐用年数で減価償却の計算を行うことになるのです。
中古車であればある程、耐用年数以外に、車両トラブルもケアが必要となります。
トラックの減価償却の算出方法
次に、トラックの減価償却の目的および計算方法について解説します。
減価償却の目的
減価償却の目的は「適切な資産価値と費用の計上」にあります。
どのような備品・機材であっても、必ず経年劣化を起こし、いつかは資産価値がほとんどないような状態になってしまいます。
その購入費用を購入時や廃棄時に一度に費用計上してしまうことは、耐久消費財の特性上で考えると正しいとは言えません。
また、耐久消費財の資産価値を何年経過しても購入時と一緒にしてしまうと、売却時などにトラブルの原因になる可能性があります。
そこで、購入費用を法定耐用年数の期間中に少しずつ費用として計上していくことで、資産価値を適切に評価することができるのです。
減価償却の計算方法①「定額法」
減価償却には2つの計算方法があり、その1つ目が「定額法」と呼ばれる計算方法です。
資産の項目によってはこの定額法しか選べない資産もありますが、車両については各法人・事業主の方針によって計算方法を選択できます。
定額法の特徴は「毎年の減価償却費が(ほぼ)同じ金額になる」ことです。
例えば100万円で購入した新車トラックを4年間の耐用年数で減価償却する場合、年度末に計上する減価償却費は100万円÷4年=25万円になります(最終年度は残存価値1円を残すため、減価償却費から1円を差し引いて計上します)。
減価償却の計算方法②「定率法」
減価償却費のもう1つの計算方法は「定率法」です。
この計算方法では、減価償却時の残存価値(取得価格ーすでに計上されている減価償却累計額)に一定の償却率をかけて、その年の減価償却費を計算することになります。
対象となる資産の残存価値は徐々に減少して一定の償却率をかけるという特性上、取得年度が最も減価償却費が高額になり、年々その金額は減少していきます。
ただし、定率法では同じ償却率で計上していくと最終的にマイナスになってしまう場合がありますので、これを避けるために元となる資産価値が保証率から割り出された金額を下回った場合には定額法に変更して減価償却を行うという特徴があるのです。
トラックの耐用年数を伸ばす方法
最後に、トラックの「耐用年数を伸ばす方法」について解説します。
法定耐用年数は一定で動かせない
まず、結論を述べると「耐用年数は伸びない」ということを念頭においてください。
国税庁が定めている法定耐用年数は、どのような事情があっても一定であり、これを勝手な解釈で延長して減価償却の期間を長引かせることはできません。
きちんと法定の計算方法で減価償却を行ってください。
寿命と耐用年数は異なる
とはいえ、耐用年数を「資産の寿命」として考えるのであれば、話は変わってきます。
トラックの法定耐用年数は数年で終わってしまいますが、法定耐用年数が経過したらもうそのトラックを運転してはいけないというわけではないのです。
きちんと車検をクリアしているトラックで、運行上とくに問題がなければ、すでに法定耐用年数が経過しきっているトラックであっても運用して問題ありません。
もちろん、故障しているトラックや車検が切れているトラックを運転することは認められていませんが、耐用年数が経過していることだけを理由にトラックを運転してはいけないということはないのです。
大切にトラックを運用すれば寿命は伸ばせる
トラックの寿命を伸ばすためには「安全運転を心がける」ことと「適切なメンテナンスを継続する」ことが重要です。
トラックが常に良好な状態で運用されていれば、簡単には故障などのトラブルは発生しないでしょう。
逆に、事故が何度も発生していたり、メンテナンスを怠っていると、トラックは故障などのトラブルを起こして耐用年数を待たずして廃車しなければならなくなるケースも珍しくありません。
トラックの購入・調達には相応のコストがかかりますので、長くトラックを運用し続けられるようにこまめなメンテナンスと安全運転を心がけて、トラックを長持ちさせましょう。
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まとめ
トラックの耐用年数は減価償却の基準となる数値であり、遵守して費用計上を行う必要があります。
法定耐用年数は変えられませんが、トラックとしての寿命は工夫次第で伸ばせますので、大切にトラックを扱って長く使い続けられるようにしてください。