トラックの自動車保険の種類:自賠責保険や任意保険を詳しく解説

トラックの保険には、法律で加入が義務付けられている**「自賠責保険」と、任意で加入する「任意保険」、さらに荷物の損害を補償する「運送業者貨物賠償責任保険」**があります。自賠責保険は対人補償のみで限度額があるため、対物賠償や高額な賠償に備えるには任意保険への加入が不可欠です。保険料相場は、最大積載量(2t・4t・大型)や用途(自家用白ナンバー・事業用緑ナンバー)、等級によって大きく変動します。特に事業用は事故リスクが高いとみなされるため、自家用に比べ保険料が高くなる傾向にあります。
「トラックの任意保険」とは、強制加入である自賠責保険ではカバーしきれない、対物賠償、自身の車両の修理費、運転者の怪我、そして自賠責の限度額を超える対人賠償を補償するための保険です。 トラックは普通乗用車に比べ車体が大きく、事故時の損害額が数億円に達するケースも珍しくありません。そのため、多くの企業では「対人・対物無制限」の契約が推奨されます。また、保有台数が10台以上の場合は「フリート契約」となり、1台ごとの等級ではなく所有車両全体の事故率によって保険料の割引・割増が決定されるという特徴があります。
一般的な乗用車と比べて大型のトラックは、乗用車以上に事故のリスクについて考慮しなければなりません。
事故が発生した際の補償や賠償をカバーするためには「保険」への加入が欠かせませんが、トラック向けの保険とはどのような内容になるのでしょうか。
そこで今回は、トラックの自動車保険の種類について解説します。
トラックの自動車保険の種類
トラックの自動車保険は、一般的な乗用車と同じく「自賠責保険」と「任意保険」の2種類に大きく分けることができます。
自賠責保険
トラックにも、一般的な自動車が加入義務のある「自賠責保険」が必要です。
トラックに限らず、自動車が公道を走行するにあたっては自賠責保険への加入が義務であり、未加入の状態で走行してしまうと「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科せられます。
さらに、違反点数6点が付与されるため、仮に交通違反の前歴がなくても一発で免許停止処分となってしまうのです。
ご存知の方は多いですが、自賠責保険は「被害者救済のための最低限の補償内容」となっており、補償されるのは「対人賠償」だけで支払われる保険金には上限が設けられています。
・傷害による損害(治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料):最高120万円
・後遺障害による損害(逸失利益、慰謝料等):最高4,000万円(常時介護のとき)
・死亡による損害(葬儀費、逸失利益、慰謝料):最高3,000万円
・死亡するまでの傷害による損害(傷害による損害の場合と同じ):最高120万円
実際に発生する賠償金等の金額はこれらの上限を上回るケースも多いため、自賠責保険だけでは賠償金をカバーしきれない可能性があります。
そのため、きちんと賠償するためには後述する「任意保険」への加入が重要なのです。
自賠責保険の保険料は、保険期間と地域のほか、自家用(白ナンバー)か事業用(緑ナンバー)か、さらに最大積載量が2トンを超えるかどうかでも異なります。
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任意保険
トラックの任意保険は自賠責保険のように公道走行において加入義務がある保険契約ではありませんが、自賠責保険だけではカバーしきれない賠償や自身の被害に対する補償まで受けられる保険内容となっています。
任意保険の補償内容は保険会社との契約内容にもよりますが、多くの場合は事故の相手への賠償である「対人賠償保険」や「対物賠償保険」のほか、自分側への損害の補償である「人身傷害保険」や自分側の車両の補償である「車両保険」など、さまざまな補償・特約が利用できます。
また、特約についてはトラック向けに法人向けに特化した特約もあり、保険会社ごとに契約できる保険内容が大きく異なるという特徴があるので、加入するにあたっては複数の保険会社を比較して最適な保険会社を見つけることが重要です。
任意保険の特徴として大きなものは、任意保険の契約は「フリート契約」と「ノンフリート契約」に分かれるという点が挙げられます。
契約者が所有する自動車のうち契約期間が1年以上の自動車保険を契約している自動車の合計保有台数が10台以上の場合はフリート契約になり、9台以下の場合はノンフリート契約となるのです。
フリート契約では保険契約が契約者(経営者・法人など)単位で一本化されるので保険証券も複数台まとめて1枚になるのに対して、ノンフリート契約では自動車1台単位での契約なので保険証券も自動車の台数分だけ発行されます。
任意保険に未加入のトラック運送会社もある
上記のように、任意保険に加入しておけば自賠責保険だけではカバーできない賠償も補償できますが、実際には「任意保険に加入していないトラック運送会社」も少なくありません。
そこには、トラック運送会社という事情ゆえのジレンマが存在します。
保険料を支払う余裕がない運送会社もある
そもそも、なぜ安心できる任意保険に加入しないのかといえば「保険料が高額になる」ことがベースにあります。
資金的に余裕がない運送会社の場合、保険料を節約することによってコスト削減を図るところも多いのです。
実際、事業用で最大積載量の多いトラックを数多く保有している場合だと、任意保険の保険料は高額になるので、どうしても支払う余裕のない運送会社というのは少なくありません。
資金に余裕があるがゆえに自家保険でカバーできる
では、資金面で余裕がある大手の運送会社であればどうするのかといえば、実は「資金的に余裕がある」という理由ゆえに任意保険に加入しないというパターンになるのです。
どういうことかといえば、簡単に言えば「自家保険のほうが安上がりになるから」です。
たとえば年間の保険料が500万で物損事故により100万円の補償を受けた場合だと、400万円の保険料は掛け捨て、つまりムダになってしまいます。
最初から毎年500万円を万が一の補償代として貯めておいた方が、任意保険の保険料を支払うよりも経済的なのです。
つまり、自分のところの資金だけで賠償等をカバーできるため、無理に任意保険に加入するよりもコストパフォーマンスの高い未加入の状態でいるというケースになります。
リスクを考えれば加入しておいた方が安心
自社の資金だけで補償しようとする考え方は、しかしながらハイリスクな選択でもあります。
自家保険だけで対応する場合は、貯めている資金だけでカバーしなければなりません。
しかし、貯めている賠償用資金は限られるため、相手への賠償も最低限で済ませたいという心理が働くことがあります。
そうなると、被害者側の感情は悪化してしまい、悪い評判をばらまかれる可能性が高いのです。
最近ではSNSで簡単に情報発信できるため、場合によっては日本中あるいは世界中からバッシングを受けて自社の信用を失墜させてしまう事態に発展する可能性はゼロではありません。
会社の信用を守るため、という意味でも任意保険への加入メリットは高いといえます。
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お客様のご要望にあわせて、最適な料金提案をさせていただきます。
「積荷」のための専用保険
ここまでは、自賠責保険と任意保険について解説してきましたが、トラックの運用において人や自動車の他にも気をつかうのが「荷台に積んでいる荷物」です。
万が一トラックでの輸送中に事故が発生したら、人や車だけでなく、荷台に積んでいた荷物の破損についても高額な賠償を伴うことがあるでしょう。
仮に事故を起こしていなくても、トラックの走行中に荷傷みや荷崩れが発生したり、荷役時に荷物を落下させて傷つけてしまうリスクもあります。
とくにトラックごと横転するような事故を発生させてしまうと、1つ1つは安くても相応の積載量の荷物ともなれば総額で相応の賠償額が発生することは珍しくありません。
このように、トラックの運用では積んでいる荷物についての賠償をいかにして賄うかを考える必要もあるのです。
そこで活用したいのが、トラックで輸送中の荷物の損害をカバーできる保険「運送業者貨物賠償責任保険」です。
運送業者貨物賠償責任保険も、任意保険のように各保険会社からさまざま保険商品が提供されています。
事故はどうしても発生リスクをゼロにすることはできませんから、いざ事故が発生して賠償をしなければならない際に自社の損失を最小限に抑えるため、積荷を対象とした保険にも加入しておきましょう。
まとめ
トラックは、運用する上で事故の際にさまざまな対象に対して賠償責任が発生するリスクがあります。
事故のリスクを抑えるための従業員教育などの対策ももちろん重要ですが、万が一のときに備えて自賠責保険だけでなく、任意保険や運送業者貨物賠償責任保険にも加入しておくことをおすすめします。
よくある質問
Q1:4tトラックや2tトラックの任意保険の相場はいくらですか?
A1: 用途と積載量で大きく変わりますが、一般的な目安(年間)は以下の通りです。
2tトラック(自家用): 約10万〜15万円
4tトラック(自家用): 約15万〜25万円
事業用(緑ナンバー): 自家用の1.5倍〜2倍以上になることが多く、4t車で30万円を超えるケースもあります。 ※これらは新規加入や標準的な等級での目安であり、事故歴やフリート契約の有無で大幅に上下します。
Q2:なぜ「事業用(緑ナンバー)」の保険料は高いのですか?
A2: 走行距離が長く、事故に遭遇する確率が高いと統計的に判断されるためです。 緑ナンバーのトラックは、白ナンバー(自社荷物の運搬等)に比べて稼働時間が圧倒的に長く、深夜走行や長距離移動も多いため、保険会社のリスク評価が高くなり、保険料率が上がります。
Q3:自賠責保険だけでトラックを運行しても大丈夫ですか?
A3: 法令上は走行可能ですが、実務上は極めて危険です。 自賠責保険には「対物補償」が一切ありません。トラックが他人の家や店舗、高価な積荷を壊した場合、数千万円から数億円の賠償責任をすべて自社で背負うことになります。また、対人補償も死亡時3,000万円が上限であり、近年の高額賠償判例には対応できません。
Q4:運送業で「荷物の破損」を補償する保険は別にあるのですか?
A4: はい、**「運送業者貨物賠償責任保険」**があります。 通常の自動車保険(任意保険)は「車」や「人」を対象としており、積んでいる「荷物」自体の損害は対象外となるケースがほとんどです。荷崩れや落下、盗難などから荷主の資産を守るためには、この専用保険への加入が必須です。
Q5:フリート契約とノンフリート契約の違いは何ですか?
A5: 保有台数による契約形態の違いです。
ノンフリート(9台以下): 車両1台ごとに等級が設定され、事故を起こした車両の保険料のみが上がります。
フリート(10台以上): 会社全体の事故率で割引率が決まります。全車両の保険料がまとめて割引されるメリットがある一方、1台が重大事故を起こすと全車両の保険料が一斉に跳ね上がるリスクもあります。

