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セミトレーラーの寸法や最大積載量などを詳しく紹介!


「トレーラー」というトラックを街中で見かけることがあると思います。その中でも「セミトレーラー」は日本で最も使用されているトレーラーで、さまざまな輸送に活躍しており、街中でもよく見かける車両です。

今回は、このセミトレーラーについて、一般の方には意外と知られていないセミトレーラーの寸法や最大積載量、フルトレーラーとの違いについて解説します。
また、これからトレーラーのドライバーを目指している方も参考にしていただければ幸いです。

免許ごとに運転できる車

セミトレーラーの寸法

トレーラーにはそれぞれ寸法に規制があります。セミトレーラーの場合、車両全長は最大18m、最大積載量は22t、車両最大重量は36tと定められています。
これはあくまでも最大値で、連結するトレーラーの種類や積載量で変化します。セミトレーラーはエンジンを搭載している「トラクター」と荷物を載せる「トレーラー」を連結させた全長を表します。
セミトレーラーの全長は16.5mが上限ですが、特別に許可を得た場合にのみ、最長18mまで延長することが可能です。
ちなみに車両の最後部からトレーラーの連結部までの最長は12mが上限なので、この場合、トラクター単体の全長は6mになります。
全長を変更する場合は指定の公共機関に届け出る必要があり、許可が下りるのは申請してから15日以内です。

セミトレーラーの最大積載量

セミトレーラーの積載量は車軸(※1)の数で変わり、車軸が3つあるタイプで最大で22tになります。

※1「車軸」
左右のタイヤをつないでいる軸。左右一体で1軸といい、3軸ならタイヤが6本になる。

▼セミトレーラーの最大積載量

車軸 最大積載量
1軸 16t程度
2軸12m型 20t程度
3軸 22t程度

 

但し、セミトレーラーの積載量は下記の2つの基準で特別に最大積載量を超えて積むことが可能です。

バラ積み緩和

大型で分解できない単体物と違い、複数に分けて積むことが出来る荷物を載せる時に、特例で車両総重量を緩和することが出来ます。
そのためには車軸の数を増やし、1軸あたりにかかる荷重を10t以下に減らす必要があります。そうすることで、車両総重量は通常の28tから36tに、最大積載量は25tから28tまで緩和されます。
これにより、規制緩和前よりも1回あたりの輸送能力の向上とコスト削減が可能になりました。

単体物許可

セミトレーラーは基本的に分解できない木材や鋼材などを積み込むことは出来ません。
しかし、国土交通省の許可を得れば、特例としてこれらの積載物を積むことが可能になり、このことを「単体許可」といいます。
この単体許可は軸重が10tを超えていても申請が可能で、実質的にこの許可をもらえば保安基準の最大積載量の上限がなくなります。
この規制緩和により、これまでセミトレーラーでの輸送ができなかった重量物や長尺物などの輸送範囲が拡大されました。
日本で1番活用されているセミトレーラーの輸送が規制緩和されたことで、日本の輸送能力の拡大が期待できます。
但し、単体許可をもらっても、道路により通行可能な重量が決まっているので、実際に通行する道路や通行時間帯などをあらかじめチェックしておく必要があります。

セミトレーラーとフルトレーラーの違い

トレーラーには大きく分けてセミトレーラーとフルトレーラーがあり、それぞれ特徴があります。

セミトレーラー

セミトレーラーは車輪が後部にしかなく、エンジンは搭載されていないため、自走が出来ません。したがってトラクターと連結することではじめて輸送が可能になります。
トラクターと分割出来るセミトレーラーは、日本の狭い道路事情には利便性が高く、使いやすいトレーラーといえるでしょう。

フルトレーラー

一方、フルトレーラーはトラクターとトレーラーが一体化した車両のことをいい、トレーラーの前後に車軸があるため、トレーラー単体で重量を支えることが出来ます。
フルトレーラーの全長は最大で25mまで可能で、トレーラーの後部にさらにトレーラーを連結することが出来るので、セミトレーラーよりも多くの荷物を輸送することが出来ます。
しかし、セミトレーラーよりも全長が長いフルトレーラーは、さらに高度な運転技術が要求されます。したがって、日本の狭い道路事情では走行出来る道路が限られるため、セミトレーラーよりも輸送台数が少ないのが現状です。

トラクター(ヘッド)一覧

規制緩和によるセミトレーラーへの影響

国は昨今の輸送需要の増加に伴い、トレーラーに対する規制を緩和する方向で動いています。おもな緩和点は、トレーラー全長の延長や積載量の増量などです。

規制緩和の概要

国土交通省は2015年に、トレーラーの輸送力を上げるためこれまでの許可基準を緩和する方向で見直しています。
セミトレーラーに関しては、全長や駆動軸重の上限の緩和などが実施されました。

連結時の長さが18mまで伸張

国土交通省の法改正で、セミトレーラーの連結時の車両全長がこれまでの最大17mから18mに緩和されました。これにより、1回あたりの輸送量が増えることになります。
1回あたりの輸送量を増やすことで、昨今のドライバー不足を補うことにもつながりますが、セミトレーラーの走行に関しては、

  • 道路申請許可の経路での交差点への侵入交差角度が概ね90度以下であること
  • リアオーバーハングが3.8m~4.2mの範囲内であること

などの一定条件が設けられています。
輸送能力が上がる反面、走行する道路の選択にも注意が必要です。

駆動軸重が11.5tに増加

「特定8車種」のトレーラーの駆動重量が従来の10tから11.5tに緩和されました。

▼特定8車種一覧

  • バン型セミトレーラー
  • タンク型セミトレーラー(ミキサー車、粉粒体運搬車等を含む)
  • 幌枠型セミトレーラー
  • コンテナ用セミトレーラー
  • 自動車運搬用セミトレーラー
  • あおり型セミトレーラー(ダンプトレーラを含む)
  • スタンション型セミトレーラー
  • 船底型セミトレーラー

これらの車種は通行する道路ごとに総重量や全長に特例が設けられた車両です。
特定8車種は、自動車技術総合機構(NALTEC)という機関に構造変更の申請をすることで許可が下りれば、運輸支局から車検証が発行されます。
これまでは駆動重量に制限があったため、フルで積載が出来ませんでした。しかし、法改正によって無駄のない積載が可能になったため、より迅速で効率のいい輸送が期待できます。
但し、駆動重量が緩和されるのは、エアサスペンションを搭載した2軸のトレーラーに限るので注意が必要です。

参考:平成27年6月から施行を開始する関係省令等の改正に伴うシステム改修の概要

セミトレーラーを運転する際のポイント

セミトレーラーの運転で注意したいのが「ジャックナイフ現象」です。
これはセミトレーラーを運転中に急ブレーキを踏んだり急ハンドルを切ったりすることで連結部が九の字に曲がることをいいます。
こうなるとトレーラーは操縦不能になり、トラクターやセミトレーラーが横転するなど、周囲の車両や歩行者との交通事故になる可能性があり危険です。
また、セミトレーラーは内輪差が大きいため、右左折時やカーブを曲がる時に車体が大きく車線からはみ出すため、対向車や隣接車にも気をつける必要があります。対向車線を走行中にヒヤッとしたドライバーもいるのではないでしょうか。
セミトレーラーを運転する時は十分に車間距離をあけ、且つ安全に止まれる速度で走行するように心がけましょう。

よくあるご質問はこちら

まとめ

セミトレーラーは日本で1番使われているトレーラーで、フルトレーラーにくらべて全長は短く運転しやすいといえますが、それでも高度な運転技術が必要なのは変わりません。
セミトレーラーのドライバーを目指している方や現役ドライバーの方は、寸法や構造などを正しく理解して、安全な運転と輸送を心がけましょう。
その他ご不明点などもお気軽にご相談ください。

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