ミキサー車とは?仕組みや各部分の構造、操作方法を徹底解説!
ビルやマンションの建設現場や道路工事の現場でコンクリートを流し込んでいるミキサー車をみたことがある人も多いでしょう。
ミキサー車は建物や道路の基礎として投入するコンクリートを運ぶのに欠かせない車ですが、その構造はあまり知られていません。
今回は、ミキサー車の仕組みや操作方法について詳しく解説します。
ミキサー車とは
ミキサー車とは、生コン(生コンクリート)を工事現場まで運搬する貨物トラックのことで、正式名称は「レディミクスト車」といいます。
特徴としては荷台の部分にドラム状のタンクを搭載し、その中に生コンを入れて攪拌(かくはん)させながら品質を保った状態で使用場所まで運びます。
生コンの輸送は時間との勝負。輸送中に固まってしまっては使い物になりません。
そのため、現場までのルートや交通渋滞などを考慮しつつ、工場から現場までの輸送時間は90分を目安にしています。
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ミキサー車の仕組み
ミキサー車は大きく分けて2つの仕組みで成り立っています。
ドラムの仕組み
ミキサー車のドラムの中は螺旋(らせん)状のミキシングフレームと呼ばれる羽根のような銅板が入っており、これを回転させることで生コンを効率よく攪拌しています。
生コンはセメントのほか、砂利や砂などの骨材と水を混ぜて出来ていますが、そのまま放置していると時間の経過とともに分離する性質があるため注意が必要です。
くわえて数時間で固まってしまう性質があるため、ドラム内で生コンを攪拌しながら迅速に工事現場まで運ぶ役割を担っています。
排出する際の仕組み
ドラムの中にある螺旋状のミキシングフレームは、「攪拌用」と「排出用」の二重構造になっています。
ミキサー車は走行中、攪拌用で生コンをムラなく攪拌し、現場ではドラムを反転させながら、排出用のミキシングフレームから効率よく生コンを流し込むことができます。
ミキサー車の各部分の構造
ミキサー車は主に4つの構造から出来ています。
ドラム
ミキサー車の荷台部分に搭載してある円筒状のタンク。生コンの原料の分離や固まったりしないように、常にドラムを回転させて生コンの品質を保っている。
ホッパ
工場で出来あがった生コンをミキサー車のタンクの中に入れるための投入口。
タンク後部の上側に設置してあり、生コンを流し込まない時にはカバーをかけて生コンの品質劣化を防ぎます。
シュート
ホッパの下にあるスクープといわれるじょうごのようなものから流れてきた生コンを決められた場所に流し込むためのガイド的役割を果たすもの。
家の屋根から流れた雨水を地上に流す樋(とい)みたいな形状をしています。
水タンク
ドラムの前方に設置してある洗浄用の水を入れるタンク。
水タンクの容量は主に200ℓで、生コンを流し終わり空になったドラムの中やホッパとシュートにこびりついた生コンを洗い流すために使用します。
洗浄しないでいると生コンが固まり、あとから取り除くことが困難になるため、作業にも支障が出てきます。
レバー
タンクの中の生コンを攪拌したり流し込んだりするために操作するものです。
レバーの位置は車種により異なり、タンク後方や運転席の中にあります。
ミキサー車の操作方法
ミキサー車の操作は車種によって変わりますが、下記のような操作方法が一般的です。
- レバーを前方に倒す→生コンの攪拌
- レバーを手前に倒す→タンクの反転
- レバーを中央に戻す→タンクの動作停止
また、レバーの操作は段階的におこなうことで、ドラムの回転速度を調整することが可能です。1段階で低速回転、2段階で高速回転する仕組みになっています。
なお、ミキサー車のレバー操作には特別な資格はなく、それぞれの生コン積載量に応じた車両運転免許があれば操作が可能です。
ミキサー車の運転免許には「普通免許」「準中型免許」「中型免許」「大型免許」があります。
まとめ
建設物や道路工事に使う生コンを運ぶミキサー車は工事現場に欠かせない車両です。
生コンは徐々に硬化していくので、工場での積み込みから現場での流し込みまでは時間との勝負。そういう意味では、生鮮食品と同じで「鮮度が命」ともいえます。
そして、手際いいレバー操作で生コンを流し込むことはもちろん、作業後の各装備の洗浄も必ず行うようにしましょう。
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