キャブオーバーとは?特徴からデメリットまで詳しく紹介!
みなさんは、キャブオーバーという言葉をご存じでしょうか。
キャブオーバーとはトラックなどの貨物車両、バンといわれる商用車に採用されている構造の名称です。
そこで今回は、キャブオーバーについての特徴やメリットなどについて解説します。
キャブオーバーの特徴
キャブオーバーとはエンジンの上に運転席がある車両のことで、トラックの多くがこのタイプです。
また、商用車として使われる「バン」にも多く採用されています。
荷物を多く載せるトラックなどの貨物車両は広い荷室(荷台)を確保する必要があるため、キャブオーバーという構造になっています。
また、バンに採用することで、後部の荷室が広く確保出来るので、商用車として幅広く利用できます。
キャブオーバーとバンの違い
エンジンの上部に運転席を設置し荷室を広く確保する車体構造をキャブオーバーといい、トラックやバンに採用されています。
そのうち「バン」は車の用途別を表す名称であり、バンの全てがキャブオーバーとは限りません。
バンには大きく分けてワンボックスカーとワゴンの2つがあり、それぞれキャブオーバーとの違いがあります。
ちなみに車検証では「車体の形状」という欄に「キャブオーバー」「バン」「箱型」「ステーションワゴン」などと表示区分されています。
キャブオーバーとワンボックスカー
ワンボックスカーの代表格として有名なのがトヨタのハイエースや日産キャラバンです。この2車種はどちらもキャブオーバー型のワンボックスカーで、エンジンの上に運転席があるため、後部座席と荷室が広くなっているのが特徴です。
しかし、同じワンボックスカーでも前面にボンネットがあるタイプもあり、このタイプはボンネットのなかにエンジンがあるため、「ボンネット型」といわれています。
最近ではワンボックスの他に2BOXや1.5BOXもあり種類も複雑になっていますが、それぞれキャブオーバーやボンネット型があります。
キャブオーバーとワゴン車
人と荷物を多く運べるワゴン車は最近ではキャブオーバーよりもボンネット型が増えています。理由は運転席の前にボンネットがあると、前面からの衝突安全性がキャブオーバーよりも高いからです。
最近多いのがスバルのレガシィなどに見られるボンネット型の「ステーションワゴン」といわれるタイプで、主に乗用を目的に使われています。一方、商用車として使用されているのは「バン」や「ライトバン」と呼ばれ、トヨタのプロボックスなどが該当します。
軽自動車のキャブオーバー
軽自動車はそのコンパクトな構造上、普通車と比べると乗車スペースと荷室スペースが広くとれません。
そのため、軽自動車のキャブオーバーはある程度スペースが確保できて使い勝手が良いため、一般用でも貨物用でも人気の車種です。
また、軽自動車のトラック「軽トラ」もキャブオーバーにしていることで、広い荷台を確保しています。
キャブオーバーのメリット
荷室(荷台)スペースが広い
キャブオーバーのメリットといえば、何と言っても荷室(荷台)が広く取れるということです。
特にトラックは荷台スペースを大きく確保する必要があるため、そのほとんどがキャブオーバーです。トラックは全長が長いので、荷台を広くとっても運転席は十分な広さを確保できますし、4t車以上のトラックには後部にベッドスペースが設けられている車種もあります。
その他の車種では人や荷物をたくさん乗せることが出来るため、ワゴンや商用車に幅広く利用されています。
運転しやすい視界
キャブオーバーはエンジンの上部に運転席が設置してあるため、高い目線で運転をすることが出来ます。
さらに、前面にボンネットがないため、車体前方の視認性がいいのも特徴のひとつ。目の前の障害物なども発見しやすいため、接触事故防止につながります。
一方で、アメリカのトラックはボンネット型が主流です。これは映画などでみた方もいるのではないでしょうか。ボンネット型が多い理由は、日本と違い、車両全長の規制が緩いからだといわれています。
小回りがきく
キャブオーバーのワゴン車やワンボックス車だと、前面にボンネットがないため、トラックと同様、視認性がよく運転がしやすいのが利点です。
さらに、前面が出っ張っているボンネット型とくらべ、キャブオーバーは小回りがきくので、狭い路地の出入りもしやすいといえます。
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キャブオーバーのデメリット
衝突安全性能がボンネット型より低い
キャブオーバーは全面にボンネットがないため、仮に正面から何らかの衝撃を受けるとドライバーに大きな被害をもたらすことも考えられます。
それに対しボンネット型は先にボンネットが衝撃を吸収してくれるため、キャブオーバーと比べると安全性で勝るといえるでしょう。
車体が大きく頑丈そうにみえるトラックでも油断は禁物です。スピードが出ている状態で何かしらに衝突すれば、大きな被害を受けることもあります。
車内の静音性が悪い
キャブオーバーはエンジンの上部に運転席がある特性上、運転中は車内にエンジン音が響きやすいという弱点があります。
それでも最近のワゴン車やバンなどは昔よりも静音性がよくなり、快適なドライブが出来るようになっています。
しかし、トラックに限っていえば、走行中のエンジンの騒音はそこまで改善されていません。
トラックは乗用車とくらべてもエンジンの出力が大きいため、必然的にエンジン音も大きくなってしまいます。
燃費が悪い
最近の車は空気抵抗を抑えるために全体的に流線系のデザインになっています。これは燃費をよくする効果もあり、最近の車の主流になってきました。
一方、キャブオーバーの車は前面が平らなため空気抵抗が大きくなります。そのため、流線系のデザインの車とくらべると燃費の面では劣るのが普通です。
加えて、車体の大きいトラックは高さもあるので空気抵抗がさらに大きくなります。
キャブオーバーの人気な車種一覧
キャブオーバーのトラックは主に4大自動車メーカーから販売されていて、どれも街でよく見かける車種です。
なかにはボルボやベンツなどの外国産トラックも見かけますが、日本の物流のほとんどは国産車が使用されています。
▼日本4大メーカーで取り扱っているトラック一覧
メーカー | 車種 | 積載量 | 備考 |
いすゞ自動車 | ・エルフ ・フォワード ・ギガ |
・1.5t~2t ・4t ・大型 |
・CMでお馴染み ・個性的なライト ・バンパーにヘッドライトを装備した先駆け |
三菱ふそう | ・キャンター ・ファイター ・スーパーグレート |
・1.2t~4t ・4t ・大型 |
・欧州でも販売 ・発売から30年 ・ニュージーランド では「ショーグン」の名で販売 |
日野自動車 | ・デュトロ ・レンジャー ・プロフィア |
・1.5t~3t ・4t ・大型 |
・安全装備が充実 ・パリダカ走破 |
UDトラックス | ・カゼット ・コンドル ・クオン |
・小型、1~4t ・中型 ・大型 |
・三菱ふそうOEM ・いすゞOEM |
まとめ
キャブオーバーのトラックはエンジンの上部に運転席があるため、荷室を広く確保できます。
従って、貨物用車両には最適な構造だといえます。
一方で、エンジン音が響きやすく、衝突安全性能がボンネット型より劣るという欠点があるのも事実です。
しかし、近年はトラックも静音性と安全性能が向上し、ドライバーが快適に運転出来るよう、年々技術開発が進んでいます。
今回紹介した4大メーカーの人気車種トラックにも、今後のさらなる静音性と安全性能の向上を期待していきたいですね。
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