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フルトレーラーとセミトレーラーの違いとは?メリットや必要な資格はある?


一口にトラックといっても、さまざまな種類の車両があります。
たとえば多くの荷物を輸送できる「トレーラー」だけ見ても、「フルトレーラー」と「セミトレーラー」の2種類があり、特徴や運転方法、運用方法などに違いがあるのです。
そこで今回は、フルトレーラーとセミトレーラーの違いについて解説します。

トレーラーの種類

日本でも荷物の輸送に適している特性から各地でその姿を見かける「トレーラー」ですが、大まかに分けると以下の3種類に分類できます。

・フルトレーラー
・セミトレーラー
・特例8車種

トレーラー一覧

フルトレーラー

「フルトレーラー」とは、運転席とエンジンが搭載されていることにより、単体で自走することが可能なトレーラーです。
「自走できるって、当たり前なのでは?」と思われるかもしれませんが、後述する「セミトレーラー」とはこの点が大きく異なります。
フルトレーラーには、さらに細かく2種類に分類することができ、前方にドリーという名の台車を備えた構造をしている「ドリー式」と、トレーラーの中央部に2つの車軸がまとまった構造をしている「センターアスクル式」に分類可能です。
フルトレーラーは一見すると一般的なトラックと似ている構造ではありますが、トラックとの大きな違いはトレーラーをけん引するための連結器を備えている点と、エンジン出力およびブレーキ機構が異なる点が挙げられます。

セミトレーラー

「セミトレーラー」とは、運転席およびエンジンが搭載されていないため自走できず、けん引用のトラクターでけん引して運用することを前提としているトレーラーです。
つまり、運用するうえでは前半部分のけん引用トラクターと、荷物を積むセミトレーラー部分に分かれているという構造になります。
日本で運用されているトレーラーの多くはこちらのタイプです。
セミトレーラーには前輪に相当する車輪が備わっていないため、けん引用トラクターと分離した後はそのままでは自立することもできないので、補助輪やスタンドなどを利用して地面に接地させることで自立可能になります。

特例8車種

「特例8車種」は、以下の8種類に分類される車両であり、運搬する物資の性質によってさまざまな運用方法で使い分けることが可能です。

・コンテナ型:海上貨物コンテナと鉄道貨物コンテナの運搬に用いる
・バン型:箱型タイプで汎用性の高いトレーラー
・タンク型:液体や粉粒体などの運搬を目的としたトレーラー
・自動車運搬型:自動車の輸送に特化したトレーラーです
・幌型:骨組みに幌をかぶせたタイプで伸縮可能
・あおり型:平ボディトラックと同形状のトレーラーで積荷はロープなどで固縛する
・スタンション:荷台が平らで原木や鋼材などの運搬に用いる
・船底:平らな荷台の中央部にくぼみがあるタイプで積荷が安定する形状をしている

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セミトレーラーとフルトレーラーの違い

セミトレーラーとフルトレーラーの基本的な特徴について解説したところで、次にこれらのトレーラーを運用する上で知っておくべき具体的な違いについて解説します。

構造

1つ目の違いは「構造の違い」です。
フルトレーラーは単独での自走が可能な構造をしていますが、セミトレーラーは自走に必要な運転席やエンジンが搭載されていないため自走できません。
また、フルトレーラーは車体後部に連結器を備え付けているため、トレーラーを連結することによって最大輸送可能量を向上させる運用方法も可能です。
ただし、連結する分だけ車体の全長が長くなるので制御が難しくなり、セミトレーラーよりも注意して運転しなければなりません。
ちなみに、フルトレーラーよりもセミトレーラーの方が日本ではメジャーなのですが、これは日本の道路が海外の道路のように広くないという日本の交通事情にマッチしていることが理由だと考えられます。

運転方法

2つ目の違いは「運転方法の違い」です。
全長が長いフルトレーラーを運転するにあたっては、セミトレーラー以上に後方確認が重要になります。
連結箇所および連結数が異なるため、前進時はカーブのタイミングに注意する必要がある点が共通する一方で、後進時にはハンドル操作に違いがあるのです。
ドリー式フルトレーラーの場合は連結部とドリーの回転部分の2ヶ所で屈曲する都合上、特に高度な運転技術を要し、とくに走行中に蛇行してしまう「スネーキング現象」への注意が重要になります。
センターアスクル式フルトレーラーの場合は連結部が1つでトレーラーの中央部にタイヤが集中している構造であるため、セミトレーラーに近い感覚で運転ができますが全長が長いので普通のトラック以上に死角が多く、後進時の運転はとくに注意が必要です。
セミトレーラーの場合は急ブレーキや急ハンドルで車輪がロックされて連結部分が「く」の字に折れ曲がる現象である「ジャックナイフ現象」に注意が必要であり、やはり難しい運転になることは避けられません。

フルトレーラーのメリット・デメリット

フルトレーラーの最大のメリットは「輸送できる荷物の量が多い」ことです。
連結により最大輸送量を向上して運用できるため、大量の荷物を一台のトレーラーで運びたい場合に重宝します。
一方でデメリットとしては「高度な運転技術が必要」という点が挙げられます。
ちょっとした油断やアクシデントが大事故につながるため、運転者への事故防止の知識・認識の普及・啓発が重要です。

セミトレーラーのメリット・デメリット

セミトレーラーの最大のメリットは「維持費などの金銭的コストが安い」ことが挙げられます。
両タイプのトレーラーはいずれも税金区分の面では「大型トレーラー」の枠の中ではありますが、車検や高速道路の料金を算出する際は車軸数が基準となるので、セミトレーラーの方が幾分か安価になるのです。
一方でデメリットとしては「輸送できる量が少ない」ことが挙げられます。
両タイプのトレーラーはいずれも全長規制がありますが、セミトレーラーは18mなのに対して、フルトレーラーは25mです。
フルトレーラーの方が荷台の広さを確保できる分だけ多くの荷物を輸送できるため、それと比較するとセミトレーラーの方が一度に運べる荷物の量が少なくなってしまいます。

運転するには大型免許とけん引免許が必要

フルトレーラーとセミトレーラー、両者とも多くの荷物を運べる車両であるという点以外にも、共通する特徴として運転するためには「大型免許」と「けん引免許」の2種類の免許が必要であるという点が挙げられます。
「大型免許」は、車両総重量11t以上・最大積載量6.5t以上の車両の運転に必要な免許であり、トレーラーは原則としてこの区分に該当します。
「けん引免許」は、けん引車両が750kgを超える場合に必要であり、重量測定においては車両本体の重さに加えて積載物の重量についても考慮されます。
また、高速道路の通行料金は車両の車軸数によって区分されますが、いずれも最高速度は80kmという点については共通しています。

免許ごとに運転できる車とは?

まとめ

フルトレーラーもセミトレーラーも、いずれも大量の荷物を輸送できるというメリットは共通していますが、両者にはさまざまな違いがあることがわかります。
違いがあるということは具体的なメリットや得意分野、運用方法の最適化についても異なるということであり、運用効率を考慮するのであれば両者の違いを明確に把握しておき、運用シーンに最適なトレーラーを選定して運用することが重要です。

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