トラックの暖機運転は必要?トラックの寿命への影響などを解説!
寒い時期、トラックのエンジンをかける時に考えるのが、暖機運転の有無だと思います。
結論からいうと、トラックの暖機運転は必要です。暖機運転をおこなうことで、トラック自体の寿命を延ばすことにもつながるからです。
しかし、最近の車はバッテリーの性能がよくなっているため、必要ないという声も聞かれます。
暖機運転をするかしないかは人によって意見が違い、実際はどっちがトラックのエンジンにいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、トラックの暖機運転の重要性とエンジンの寿命について解説します。
トラックの暖機運転とは
暖機運転とは、エンジンを始動したあと一定時間アイドリング状態を保つことをいいます。また寒冷地では、ある程度エンジンの回転数を上げた状態を保つこともあります。
暖機運転をすることでエンジン各部を適温に上昇させ、エンジンに過度な負荷をあたえずにすみます。
したがってエンジンへの負荷を軽減することにより、トラックの寿命を延ばすことに繋がります。また、エンジンの故障も少なくなり、メンテナンスの機会も減ることから、経費節約にもなります。
トラックの暖機運転の必要性
トラックの暖機運転は人間にたとえると運動をする前の準備運動みたいなものです。
エンジンが冷えている状態でいきなりエンジンを高回転させて走行すると、トラックのエンジンに大きな負荷がかかってしまいます。
トラックのディーゼルエンジンは非常に高温になるため、始動前にエンジンオイルをある程度暖めておく必要があるのです。
暖まったエンジンオイルがエンジン内部を循環することで負荷が抑えられ、エンジン始動がスムーズになります。
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暖機運転をしないとトラックのエンジン故障につながる
トラックのエンジンの大半は金属で出来ていますが、金属は極度に冷えている状態だと通常よりも収縮する性質があります。
そのため、エンジンを始動した時にシリンダー内の隙間(クリアランス)などがトラックメーカーの規定値を外れる恐れがあり、この状態で高回転の走行をするとエンジンに不具合が出る可能性があるのです。
また、長時間エンジンを停止した状態だと、エンジン内部の潤滑油であるエンジンオイルが流れ落ち、乾いた状態になります。
そのエンジンオイルを再び潤滑させるため、エンジン始動直後はアイドリング状態を保ち、エンジン内部の温度を上げる必要があるのです。
エンジン内部のほとんどを占める金属の摩耗が早まることは、エンジン自体の寿命を縮めることにつながるため、金属の摩耗を防止する意味でも暖機運転は必要だといえます。
トラックの暖機運転の種類
トラックの暖機運転の種類には、おもに2つあることをご存じでしょうか。
停車中の暖機運転
1つ目は一般的に知られている「停車中に行う暖機運転」です。
冬場や長い間エンジンの始動をしなかった時に、エンジンをかけて一定時間アイドリング状態を保つ方法です。
暖機運転の終了目安としては、その時の気温やトラックの状態にもよりますが、おおよそ5分~10分ぐらいです。また、メーターパネルの水温計の針が規定値まで上がることで判断してもいいでしょう。
さらに、暖機運転はエンジンを暖めるだけではなく、中型車以上に必要なエアブレーキの空気圧をためることも出来るメリットもあるのです。
逆にデメリットは、静かな住宅地周辺や大きな工場などではアイドリングが禁止されていることもあるため、暖機運転が出来ないこともあります。
また、アイドリングをすることで、地球温暖化や燃料費の負担増も懸念されます。
運転中の暖機運転
2つ目は「運転中に暖機運転を行う」方法です。
トラックを走行しながら「暖機スイッチ」をONにすることで、エンジンを低回転の状態で走行し、エンジンとトランスミッションを同時に暖めるというやり方です。
最近のエンジンは高性能で、走行しながらの暖機運転もさほどエンジンに負担がかからないことから、この方法が推奨されているようです。
運転しながら暖機運転をするメリットは、停車中のアイドリングの必要がないため、騒音を気にしなくてもいいということです。また、無駄な排気ガスの排出も防げます。
一方、デメリットは走行中にエンジンの回転数を上げすぎるとエンジンに過度な負担がかかってしまうということ。これでは本来の暖機運転の意味がなくなってしまうので注意が必要です。
トラックの寿命を延ばすためにも暖機運転と日々のメンテナンスを行おう
人によっては「トラックの暖機運転は必要ない」という方もいますが、やはりトラックの寿命を延ばすためには暖機運転は必要不可欠といえるでしょう。
ましてや中古トラックを購入する予定ならば、少しでも長く乗るため、暖機運転はなおさら重要になってきます。
当然ですが、トラックの寿命を延ばすためには暖機運転だけでは不十分で、日頃からのメンテナンスも必要です。
ここでは暖機運転以外にトラックの寿命を延ばすためにおこなってほしいことを3つ紹介します。
オイルの管理
暖機運転で大事なのは、エンジンオイルが適度に暖まりエンジン内部を循環することです。そのためにはエンジンオイル自体を良質な状態にしておく必要があります。
メーカーが推奨している走行距離に応じてエンジンオイルの量や劣化の状態を確認し、必要であれば交換するようにしましょう。また、同時にオイルフィルターの交換をすることもおすすめします。
バッテリーのチェック
バッテリーはトラックに限らず、全ての車両にとって大事なパーツ。したがって、スムーズなエンジン始動のためには定期的なメンテナンスが重要です。
一般的に車のバッテリーの寿命はおおよそ3~5年といわれていますが、走行距離や使用環境により一概に何年とはいえません。特に営業用トラックの場合、毎日100~200㎞ぐらい走行することもあり、さらに寿命が短くなる可能性があります。
また、宅配便などで使うトラックの場合は頻繁にエンジンを入り切りするため、バッテリーのダメージが大きくなります。
このように、トラックの使用頻度が高い職業は、特にバッテリーのメンテナンスが大事です。
日頃からバッテリー液量の確認やバッテリーの異常を示すインジケータランプが点灯していないか等、自分で出来る点検は最低限しておくようにしましょう。
定期的にタイヤの状態をチェック
バッテリーの状態がよく、エンジンか問題なくかかっても、タイヤがパンクしていては走行は出来ません。したがって、タイヤの点検も重要です。
トラックは重量物を積むことから、1台に6~12本のタイヤを装着しています。
そのため、ひとつでもパンクしたり空気圧が極端に低かったりすると、スムーズな走行が出来ないだけでなく、その他のタイヤにダメージが出る恐れがあります。
乗車する前にトラックの周りを一周しながら、タイヤがパンクしていないか、キズがないか、鋭利な物が刺さっていないか等をチェックすることで、大きなトラブルを回避することが出来ます。
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まとめ
以前の車は暖機運転が必要不可欠でしたが、現在の車はエンジン性能がいいので暖機運転は必要ないという意見もあります。
しかし、トラックに限っていえば、暖機運転は必要だといえます。
トラックのディーゼルエンジンの内部は非常に高温になるため、エンジンが低温の状態で走行するのは、エンジン内部の金属摩耗を引き起こし、トラックの寿命を縮める原因になります。
したがって、トラックを長期間使っていくためには、暖機運転の実施と、日頃からのメンテナンスも忘れずにおこなうようにしましょう。
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